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東京で暮らしやすい街はある?コンパクトで快適な街を6つ紹介

東京で暮らしやすい街はどこでしょうか。東京へ引っ越す方にとって「どこに住むか」は一番悩むポイントと思われます。

東京で暮らしやすい街はどこにあるのでしょうか。今回はどこに住み、どう暮らすべきかを紹介していきます。

東京で暮らしやすい、その基準とは

そもそも「暮らしやすい」の基準はなんでしょうか。人により重視する部分は変わってくるでしょう。通勤を重視するのか、家賃を重視するのか、それとも街そのものの良さで選ぶのか。

仕事熱心な方や、多くの時間をオフィスへ出社して過ごす人にとっては会社にどれほど近いかが重要なポイントになります。一方でテレワーク(リモートワーク)が可能な職場の場合、物件の快適さや

東洋経済によると2016年時点の東京都内の会社数は84万社で、2位の大阪31万社に比べて圧倒的多数。そのなかで市区町村別では港区、渋谷区、新宿区の順に多いとされています。なのでこの記事では、東京の中心部に出勤する前提で考えます。

1 台東区 「谷根千」地区

東京に長く住んでいる人がよく口にするのは「山手線の内側に住むのがいい」という話。もっとも人口が密集しており、地下鉄がネットワーク化され、さらに山手線を使うことで東京の主要な場所ほぼ全てに簡単にアクセスできることから、山手線の内側に家を買える人は「勝ち組」扱いされています。

一方で場所によっては家賃が相場を大きく上回る高さで、仮に月給30万を超える年収500万円超えの一人暮らしでもためらってしまうような家賃相場の場所が多いのも事実です。

昔ながらの町並みが残る

そのなかで比較的良心的なのは「谷根千」と言われるエリア。これは「谷中」「根津」「千駄木」の地名から取られたもので、「CHINTAI」が算出したワンルーム家賃相場は7万円半ば。これは家賃が高くなりがちなマンションが乱立せず、小規模な建物をリノベーションすることで街を作ってきたためと言われます。

千代田線や山手線が近く、大手企業の連なる秋葉原、大手町、東京、新橋エリアに非常に向かいやすいため、通勤時間を短くしたい人に人気。自転車がなくても日暮里や上野に徒歩で行けます。飲食店が多く、東京らしい暮らしを満喫できるでしょう。上野公園が近く、自然が多く空気がきれいなのもメリット。おなじ自然のある場所でも新宿御苑や青山霊園の近辺はワンルームでも家賃10万円前後の場所になるため、総合的にここがベストという判断です。

実際に訪れてみるとわかるのですが、寺社の密度が他のエリアに比べ格段に高い。これは上野に寛永寺と呼ばれる徳川家と結びつきが強いお寺が出来、その周辺にこぞってさまざまなお寺が並んだこと。そして関東大震災や東京大空襲で運良く被害が少なかったことが理由で、東京の中でも特に歴史がありゆっくりとした時間が流れる場所になっています。

2 神楽坂~早稲田~雑司が谷~目白

地図の上に定規を当てて、皇居から池袋までズッと線を引いてみてください。その周辺は都心のなかでは非常に暮らしやすいです。

神楽坂エリアはメインストリートの狭さからウォーカブルな場所になっており、おしゃれな雑貨店や飲食店が所狭しと並んで歩くだけでも楽しい場所です。ただ、家賃はびっくり。神楽坂は庶民では無理です。

早稲田はギリギリ手が出る家賃でアクセス抜群

ただし、神楽坂を過ぎて早稲田~雑司が谷の場所まで出れば、学生街となり家賃が良心的に。飲食店はラーメン・中華料理を中心に名店が多く、飲み食いに困りません。

都電荒川線が走り、池袋へ下駄履き感覚で出かけられます。地下鉄東西線と副都心線を組み合わせれば、東京で行きにくい場所はほぼゼロ。強いて言えば品川がすこし遠いですが、新幹線利用が目的であれば副都心線から新横浜駅に行きやすくなり、唯一の欠点が解消。家賃8万円台を許容できるなら選びたい場所です。

唯一の不満は、都電荒川線とメトロ線の駅名がチグハグなこと。荒川線「雑司ヶ谷」駅と副都心線「雑司が谷」駅は繋がっておらず、隣の都電「鬼子母神前」駅が乗り換え地点。

さらに荒川線「早稲田」駅とメトロ「早稲田」駅は徒歩10分以上の距離で、西早稲田駅とバス停の西早稲田は徒歩10分の距離。さらに荒川線「学習院下」駅と間違えがちな「学習院女子大前」のバス停が副都心線「西早稲田」駅の最寄りと、もはやなにがしたいのかわからない。

個人的には早稲田駅だけでも早く改名して欲しいところ。どっちかを早稲田大学駅とか、北(南)早稲田駅とかにすれば解決するはずです。

3 世田谷区の小田急沿い・東急沿い

続いて山手線の外側を見ていきます。世田谷区はおしゃれで落ち着いたイメージがありますが、地域によってだいぶ顔が違う土地でもあります。

東急大井町線沿いの上野毛や等々力は自然があり、暮らしやすさという意味ではおすすめできます。ただし、都心に出るには二子玉川や自由が丘、大井町などで必ず乗り換えが発生することに注意。さらに乗り換え先の田園都市線や京浜東北線は混雑する路線であり、必ずしも快適ではありません。

実は安い世田谷区の家賃

世田谷区内であれば桜新町、用賀などの田園都市線沿線、もしくは小田急の経堂、豪徳寺、千歳船橋といったエリアが落ち着いていてオススメです。家賃も「CHINTAI」で調べる限り桜新町エリアの上用賀地区や千歳船橋から近い千歳台エリアは6万円。新卒社員でも難なく住める場所です。

最北の京王線沿いでは笹塚や千歳烏山など、一定の住みよさがある土地もありますが、華やかさは皆無。さらに一昨年の「ジョーカー事件」からわかるように治安が必ずしも良くないことが気がかりです。

4 浅草~押上地区

墨田区の押上は観光地である一方で暮らしやすさにも定評があります。まずスカイツリー周辺の店舗のバリエーションが豊富で、大型のスーパーや各種チェーン店が駅の周辺にコンパクトにまとまっていながらワンルームの家賃相場は7万円弱。

都心に出勤する誰もが使いやすい

交通も魅力で、都心に向かう半蔵門線・浅草線・銀座線が固まっており、浅草まで歩く必要はありますが銀座線は始発で座って上野・秋葉原(末広町)・銀座・新橋・虎ノ門・溜池・表参道・渋谷に行ける絶好の通勤路線。そして銀座線の通っていない大手町や浜松町(大門)・品川を他路線がうまくカバーしています。

バス路線は慣れが必要。あちこちのエリアに向かうバスが、周辺のバラバラのバス停から三々五々出ていくため、初見で狙ったバスに乗るのはかなりの土地勘が必要です。せっかくスカイツリーもあるわけだからバスターミナルを整備してほしいのが本音。

どちらかというと、「シェアサイクル」を使うほうが、土地も平坦でサイクルポートが充実しており、地元の足としては便利です。

4 立川

コンパクトな都会、ミニ新宿のような土地です。駅には商業施設が連なり、ルミネ、伊勢丹、家電量販店、イケア…なんでもあります。これがミニ新宿と言われる所以で、混雑しない環境で新宿と同レベルのサービスが受けられる土地。しかも駅の北からイケアまでの通りは近年きれいに整備され、散歩がぐっと楽しくなりました。

東京で暮らしやすい、小さい新宿

統一された世界観で、車のない遊歩道を練り歩きながら美味しいご飯と可愛い雑貨に囲まれ、更に上空にはモノレールが駆け抜ける。まるで海外というと大げさですが、それくらいの魅力がある場所なのは確かです。

さらに徒歩で昭和記念公園という広大な公園へアクセス可能。休日には必ずと言っていいほどイベントが開かれます。有料のエリアでは広大な花畑が整備され、季節を楽しめます。

駅の南側が北に比べ汚いことと、都心から遠いことがデメリットですが、中央線が数分ごとに発車する土地であることから交通はそこまで困りません。座りたければ特急列車もあり、まもなくグリーン車が中央線快速に組み込まれる予定。新卒からお金持ちまで、綺麗好きから飲み会好きまで、みんな不満なく暮らせます。

5 吉祥寺

吉祥寺のデメリットは市外局番が「0422」の4桁であることくらい。百貨店、ファッションビルやおいしい飲食店、商店街といった商業面と、井の頭公園まですぐという自然、趣味の悪いタワマンもなく、閑静な戸建住宅が並び、品があります。

商業施設としては東急・パルコ・ヨドバシ・マルイなどそこそこにファッショナブルな複合施設が並び、駅北側の商店街はいつもにぎやかでバランス良好。そこから三鷹方面へ向かう「中道通り」は個性的な商店が並び、立川に負けず劣らず歩いて楽しい場所です。

南側は井の頭公園があり、周辺にはおしゃれなお店。まさにデートコースといった土地柄で、築古で7万円くらいの家賃の家をうまく見つけて丁寧に暮らしている人の姿もけっこうあります。

都区外なのにわりとどこにも行きやすい

渋谷・明大前に向かう井の頭線は始発駅で、並べば座れます(けっこう並ばないと座れないという意味でもある)。またJRのほうは一部快速が停まり、新宿・東京方面へかなり行きやすい。さらに定期的に東西線に直通する列車も走っており、高田馬場、飯田橋、日本橋などにも一本で行けてしまう、なかなか便利な駅と言えます。

ただ、「安くていい物件」には巡り会えない場所。吉祥寺に近いとかなり高く、遠いとバスに乗らないと到達できない家、さらには隣駅の三鷹駅のほうが近い家もいっぱいでてきます。「ここ住めそう」と思ったらたいがい三鷹の物件なのが吉祥寺のデメリットということです。

6 南町田

現在の都内住宅部で一番再開発が活発なのは南町田エリアではないでしょうか。2019年に駅直結の商業施設「南町田グランベリーパーク」が開業。東京のハズレのハズレに立地しながら、多摩地域の中ではかなり活気を感じる場所になりました。

再開発が大詰め

まず、賑わいを失っていた8万7000平米のモールを一気に22万平米の複合施設に作り替え、さらに準急まで停車だった南町田駅に急行を含め全種別停車させるように。現在はマンション建設が進んでおり、さらに「D地区」と呼ばれる現在の臨時駐車場エリアにも開発が入る予定。

家賃はさすが東京のハズレで安いです。ワンルームのデータがなく、かわりに1Kの間取りで5.6万円。
交通面は田園都市線で長津田まで出れば横浜や橋本、町田に、反対側の中央林間まで出れば藤沢や新宿まで1本です。

ただ、住所は都内ながらほとんど神奈川県大和市であるという立地、通勤を田園都市線に頼らなくてはならない上に、渋谷まで40~60分かかるのはかなりのデメリット。家賃は安く、自然と商業が両立している土地のため、リモートワークしながら子育てしたい人にはぴったりです。

東京で暮らしやすい街の間違った探し方

家賃が安い地域で家を探すと、かなりの高確率で埼玉の埼京線沿いや江戸川区がヒットします。しかし埼京線は自分の経験上、もっとも通勤に体力が必要です。さらに江戸川区は街全体が無機質で、地震や洪水の災害リスクがかなり高い場所であることから手放しでオススメしにくいエリアです。

家賃を基準に考えれば、東京に住みよい街はありません。他の地方都市と比べて遥かに家賃が高く、たとえば静岡市であれば倍の面積の部屋に駐車場付きで住めます。

まとめ:コンパクトで快適な町だが家賃がどこでもネックに

東京は他の都市以上に広く、鉄道が整い、町ごとに性格が異なるなど、非常に面白いエリアであることは間違いありません。そこでどの土地を気に入るかはその人の生活スタイルによってだいぶ変わってくると思われますが、今回は万人におすすめしやすい都内のコンパクトで快適な街をいくつかピックアップしました。

正直、コレ以外にも北千住や五反田、恵比寿、中野、南阿佐ケ谷、西大井など、「ここは!」と思える場所は多数。この記事に限らずいろいろ探ってほしいと想うところです。

東京で暮らしやすい街に家賃を下げて暮らすコツとは

ただし、東京1択でないのなら、せっかくの収入の3分の1~4分の1を顔も知らない不動産オーナーに献金せず、地方のコンパクトシティを探したほうが圧倒的有利。その地域の職場に魅力がないならフルリモートできる東京の会社を探して、出社するときだけ新幹線代が出ないか交渉してみた方が早い。

コンパクトシティのメリットについてはこちらで解説しています。

どうしても東京がいいなら大手企業やそのグループに就職して東京配属になり、家賃補助や社宅のある暮らしを目指すべきでしょう。知り合いにも月5000円で社宅に住む大手メーカー務めや、家賃補助が10万円出る航空会社の子会社勤務の人がいます。

どうしても東京で賃貸物件を探したいという場合は、安い順に探していき、妥協点を探すのが吉。まずは「 ビレッジハウス 」や「 部屋まる 」といった安価な物件を中心とした不動産会社から探してみては。

参考

口コミでわかる!安心対応の格安賃貸不動産【部屋まる。】

住まいが探せるビレッジハウスなら、欲しい暮らしがお手頃価格で始められます。手数料は一切不要

CHINTAI
https://www.chintai.net/

登記されている会社が多い自治体トップ300
https://toyokeizai.net/articles/-/114672

内閣府 防災
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kyokun/kyoukunnokeishou/rep/1923_kanto_daishinsai/data/pages/20004.html

長周新聞 東京大空襲
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/1134

京王線ジョーカー事件
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%AC%E7%8E%8B%E7%B7%9A%E5%88%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

電話帳ナビ
https://www.telnavi.jp/landline/0422/number_1.html

ABOUT ME
isuta
1995年生まれ。中学時代にブログを立ち上げて以降、ずっとライター。 東海地方出身。少年時代に親しんだ鉄道路線や百貨店が次々廃止になり、衰退を目の当たりに。地方を元気にする手法としてコンパクトシティを広めようと思い立ち、「日本をちいさく良くする」「日本をリユースする」をテーマに本メディアを鋭意制作中。

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