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「P&R」「C&R」「K&R」とは?パーク・アンド・ライド、サイクル・アンド・ライド、キス・アンド・ライドについて解説!

この記事では、都市計画に出てくる用語である「P&R」「C&R」「K&R」の単語について紹介します。パーク・アンド・ライド、サイクル・アンド・ライド、キス・アンド・ライドの意味や用途が分かる内容にしています。

「P&R」とは

パーク・アンド・ライドは、家から車で駅などの交通拠点に向かい、そこから公共交通で目的地に向かう方法です。

このメリットは、渋滞や公害の削減、違法駐車の削減という公的なものと、駐車料金とガソリン代の節約という私的なものがあります。

このパーク・アンド・ライドを推進するために郊外に設定された駐車場を欧州などで「フリンジパーキング」と呼ぶこともあります。

2000年代からエコの文脈で語られることが増えており、意外と知られている言葉かもしれません。

日本では、体感的に「車で少し足を伸ばせば本数が多い便利な駅がある」「そもそも徒歩圏内に駅がない」といった事情での活用や、「新幹線など長距離移動する用事がある」といったシチュエーションでパーク・アンド・ライドが起きる傾向にあると感じます。(このあたりのデータがなく)。

つくばエクスプレスや仙台地下鉄などの比較的新しい路線や、江ノ電、京都市営地下鉄などの渋滞がきついエリアで、鉄道と地域が協力してパーク・アンド・ライドを推奨する動きがあります。

例えば江ノ電では「パーク・アンド・レールライド」というキャンペーンで、4ヵ所の駐車場内に停めた車に対し、電車フリーきっぷと観光地の割引などを用意しています。例えば七里ヶ浜では1,850円で5時間駐車でき、全線フリーきっぷが付いてきます。30分で300円のカネを取る東京の駐車場相場に慣れた人には、お得に見えるのではないでしょうか。

蛇足な自分語りですが、実家のある愛知の田舎で大学まで通学していた際、実家の最寄り駅まで当時まだ珍しかったEV「BMW i3」で向かい、駅近くの駐車場に止めて列車に乗る、謎の女性がおりました。

なんであんないい車(500万円から)に乗る人がうちの地元に?そしてお金があるのになぜその車を選ぶ?なぜ目的地ではなく駅に向かう?なんでもっと便利な駅に行かない?などいろいろと疑問が頭を駆け巡ったものです。

「C&R駐輪場」とは

C&Rは「サイクル」と「ライド」の頭文字を取ったものです。先述のパーク・アンド・ライドと考え方は同じで、自転車で駅まで行き、そこから公共交通機関を利用して移動する方法です。

通勤通学での鉄道利用が多い日本ではごく日常的な風景であり、地方であれば駐輪代がかからない場所だらけです。そのため日本において「サイクル・アンド・ライド」という概念はあまり発達していません。

しかし近年「シェアサイクル」が普及しており、特に都心では「サイクルアンドライド」、その逆で「ライドアンドサイクル」といった文化が育ちやすい環境にあるのではないでしょうか。

「K&R」とは

キス・アンド・ライドは、最寄りの公共交通まで送迎してもらい、公共交通で都心に行く行為を指します。

配偶者に送ってもらうから「キス」です。目的地まで一気に向かわず近隣の交通網を利用することで、運転の手間が減り、都市部での交通量を減らせます。一方で「自分の通勤にあわせて送迎してくれる家族」というなかなか手に入れがたい存在が必要です。

現状、日本では地方のサラリーマンや学生が飲んでから帰る際に使う程度なのではないでしょうか。日常的なキス・アンド・ライド事例としては「ターミナル駅に遠い」「徒歩でたどり着ける駅がない」など後ろ向きな理由でキス・アンド・ライドをする人のほうが多いのかもしれません。

ちなみに関連用語として「K&BR」があり、これはキス・アンド・バスライドです。

これらを総合したエリアをなんと呼ぶ?

宇都宮市では「トランジットセンター」が整備される予定

パーク・アンド・ライド、サイクル・アンド・ライド、キス・アンド・ライドなどの概念をまちづくりのレベルまで落とし込んだものが「モビリティハブ」です。

モビリティハブは、MaaSやシェアリングエコノミーの考え方を取り入れた、バス等の大量輸送交通とタクシー・シェアサイクルなどの多様な交通モードとの接続・乗継拠点と定義されています。

モビリティハブでは、例えば駐車場・駐輪場が整備され、誰でも気軽にそこへアクセスできます。さらに公共交通と至近距離で乗り換えができ、逆に街を訪れてモビリティハブにたどり着いた人はカーシェアやシェアサイクルなどをつかって街を自由に巡れるようになります。新たな交通機関が今後生まれていく中で、その乗り換え拠点をわかりやすくし、スムーズな交通網にしようという考え方と言えます。

こうした取り組みは、開業を控えた宇都宮の「宇都宮ライトライン」(LRT)での実装が予定されている他、全国で実証実験が行われています。

関連記事:

参考:

https://www.enoden.co.jp/tourism/ticket/parkandrailride/

https://www.city.fukui.lg.jp/kurasi/koutu/public/koutu-senryaku_d/fil/033.pdf

http://glossary.jste.or.jp/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0/

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