実例

金沢はなぜ不便か<中編>金沢の中心は「金沢駅でない」という衝撃

ここからは、不便な金沢をどう改善するか?という視点で進めていきます。

前回の記事で、金沢の不便さの根本に「バス」があるということを述べました。

自動車の往来が多い金沢で、バスが渋滞に巻き込まれること。
多すぎるバスの系統により、観光客が迷うこと。またバスのICカードが独自規格なこと。

コンパクトシティの考え方をもとに、また他の町の事例をもとに、1つ提案します。

「かなざわ中央バス」計画の提案

この記事では、金沢の交通を円滑にし、コンパクトシティを新しく生み出すための土台として、下記を提案します。

  • ・全国共通のICカードに対応し
  • ・バス路線を「花火式」から「団子式」にし、
  • ・県庁~金沢~野町間に「かなざわ中央バス(仮)」を導入し
  • ・香林坊を拠点にしたバス網を整備する

もちろん、この考えに至った理由はあります。

金沢の中心が「駅」でないことによる混乱

まず金沢の町が、金沢駅を中心にできていないということです。

他県の方には意外に思われるかもしれませんが、金沢の中心地はお城であり、バス路線もその周りをまわりながら金沢駅に向かう6の字系統と、その中心を経由して金沢駅に向かう、大阪環状線のような系統で構成されています。

そのため、金沢駅を起点とすると、かならず金沢駅~金沢城を重複して走るバスが発生します。これが金沢のバスを日常利用しない人にとって、金沢のバスを非常にわかりにくいものにしている一番の要因と考えました。

次の理由は、バスの系統が多すぎることです。北陸鉄道の管轄するバスだけで、金沢近郊に82系統。この系統の大半が、先述の通り金沢を起点・終点にしたり、経由地にしたりしています。そしてそのほか、兼六園シャトル、城下まち金沢周遊バス、全く違うバス停に金沢ふらっとバスが4系統走っています。所見じゃ誰もわからなさそう。

おそらく各地の交通利便性を高めるために路線を増やしていったのでしょうけど、結果、かなり路線網のわかりにくいバスができあがってしまったということです。この状態を、1つの拠点から多方面に路線網が広がっている様子から勝手に「花火式」と呼んでいます。

「とにかくこれに乗ればヨシ!」

ではこれを「団子式」にするにはどうすればよいかというと、「よくわからんけど、この系統に乗ればとりあえずヨシ!」という路線をつくるところから始めていくべきと考えます。それが先述の「かなざわ中央バス(仮)」です。

この「かなざわ中央バス」の停留所を拠点に、簡単に乗り換えのできるバスターミナルを設けて、そこから各地へのバスを走らせます。「かなざわ中央バス」を串に、地域住民向けの支線を団子として走らせることで、より回遊しやすく、快適な交通網が出来上がります。

コンパクトシティの思想を軸とした場合、高密度かつ移動しやすい街と、交通が求められます。そこで、とりあえず町の中心部に出る路線を整備して、そこから支線を展開するという枠組みを考えています。

具体的には、金沢駅前から野町駅前までと、金沢駅から県庁前までに大胆なバス専用レーンを設置し、5分間隔でだれがどう見ても県庁~金沢、金沢~野町を結ぶバスだとわかる区間を設置します。専用のレーン、専用の乗り場を作り、とにかく観光客を武蔵ヶ辻か香林坊まで運びます。

香林坊または武蔵ヶ辻に、大規模なバスターミナルを設置し、そこからひがし茶屋街を経て東金沢に向かう系統、観光地をぐるぐる周遊する系統と接続させることで、観光客の流動はしやすくなります。

また、少々開発が必要にはなりますが、野町と県庁に大規模な駐車場を作り、そこから専用バスで都心に出てもらう導線を設計することで中心地の渋滞緩和にも繋げられます。このあたりの考えは新潟市の「にいがた2km」を参考にしています。https://compact-city.com/2022/06/28/niigata2km/

金沢市内に「路面電車」は有りかなしか

バスの他に、路面電車という案も出てくると思われます。かつて、金沢には1967年まで市電がありました。その名も北陸鉄道金沢市内線。金沢駅-小立野、金沢駅-寺町、野町駅-小立野、野町駅-鳴和、東金沢駅-寺町、金沢駅-兼六園下の系統があり、武蔵ヶ辻〜野町〜兼六園下〜橋場町はループ状になってました。また、金沢駅の南西から「金石線」という路線が大野港までつながっており、こちらは1971年と市内線より4年ながく走り続けていました。

土地勘がない方は(自分も含めですが)、なんの説明をしているかさっぱりだったかと思います。実際、枝分かれが多く系統が複雑化しており、現代にもしLRTとして復活させるとしてもあまりふさわしくない路線網と言えるのではないでしょうか。

実際に自分が金沢を訪れて感じたのは、ここまでの車社会、また2車線をベースとした南町エリアの渋滞が特に激しかったことを思うと、新しくLRTを作るのは難しいのではないかということです。

また、金沢から北、県庁を経て港に向かうルートであれば、国道中央の木を伐採して線路にできないことはないかと思われます。しかしこちらは、おおよそ並行する北陸鉄道浅野川線がコロナ以降儲かっておらず、「北陸鉄道単独では維持が難しい」という話が出ています。せっかく線路を新しく作っても、収益が見込めるかは未知数です。

さて、ここまで金沢にどのような路線があるべきかという妄想を書き連ねてきました。現実ではどのような議論が行われているか、見ていきましょう。

~次回に続く~

出典:

http://www.asagaotv.ne.jp/~ohara/20sinaisen.html

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