実例

金沢はなぜ不便か<前編>ようこそバス地獄へ

観光や商業の中心で、日本三代庭園の「兼六園」や、インスタ映え発祥の地とも言える「21世紀美術館」。金箔アイスに魚介類。しかし、そんな金沢には、ある問題があります。

それが「交通」です。とにかく不便過ぎることに尽きます。プライベートで行った金沢旅行の反省会も兼ねて、金沢の交通が不便な理由を紹介して参ります。

自分で実際に金沢を散策した際に感じたのは
・車が多い
・そのせいか渋滞がすごい
・とはいえ車がないと不便
・バス乗り場はわかりやすい
・でもバスの系統がわかりにくい
・そしてバスの独自ICが面倒くさい

ということです。詳しく書いていきます。

バスに頼らざるを得ない

金沢市は石川県の中で2番目に大きい町です。面積は468.64キロ平方メートル。横浜市より広く神戸市より狭い、そんな町です。

金沢の交通を俯瞰すると、まず新幹線や北陸本線、北陸鉄道が乗り入れる金沢駅が大きなターミナルとして存在しています。

そこから北と東西に向けては鉄道網があり高速道路もありますが、最も繁華街である南側をサポートする交通網がバスしかありません。

そのため、買い物をしたい地元民(のうち、車移動しない方)と、観光客、ビジネス客がバスに集中し、混雑の元になります。

バスがややこしい

ただし「バスしか無い」というだけでは、ほかの中堅都市(新潟、岐阜、松本など)と変わりません。問題はこのバスが複雑すぎる点にあります。

金沢駅で降り、観光地やホテルなどが集中する「片町」地区や「香林坊」地区に出ようとする場合、まず金沢駅の合計17ヵ所あるバス乗り場から目的地に向かうバスを選ぶところから始まります。

駅の案内所はあるのですが、観光シーズンは乗り放題券を求める列ができ、そうでなくても市外からのビジネス客や高齢者が多くたむろしている場所です。看板が掲げてあるので、概ねどの乗り場が目的地に向かうものかはわかります。

ただしここでも問題。それは複数の乗り場から、同じ場所へ向かうバスが出ることです。

例えば、金沢駅東口から兼六園を見学したい観光客がいた場合、6・7のどちからに並ぶ必要があり、さらに「周遊バス」の「右回り」「左回り」が同じ6番乗り場にやってきます。「左回りが止まっているけど、案内所の人は右回りに乗れといった!でもこれが過ぎたらつぎいつ右回りが来る?」という混乱も、金沢の初見者には起こります。

また香林坊エリアに宿を取った場合3・7・8・9・10・11乗り場のいずれかから乗るバスを見極める必要があります。

ここで「とりあえず並んどきゃなんとかなる」という旅慣れた人なら問題ないのですが、グーグルマップを利用して目的地に向かう場合はそうもいきません。

グーグルマップは機械ですから、「3か7か8か、適当に乗ればOK!」なんて言いません。ちゃんと「○○時〇〇分発の14番系統、金商高校前行きのバスに乗ってください」といいます。発車までのカウントダウンを添えて。こうなるとパニックです。

ICカードは独自規格

さらに、乗ってからも新しい問題が。まず東京圏からの観光客の場合、バスが後払いであることに混乱します。あそこには「整理券」という文化がありません。入り口で不味混乱します。

え?スイカにすればいいじゃんって?

無理です。金沢のバスは、交通系ICカードが使えません。

正確には、北陸鉄道系でのみ使用できる「ICa(アイカ)」のみ使用でき、Suica、ICOCA、manacaなどの共通系カードは使用できません。課金する際も、高齢者に配慮して「チャージ」と呼ばず「積み増し」と呼びます。そんなところまで、独自規格に塗り固められているのです。

(岐阜や浜松も「アユカ」「ナイスパス」など独自規格で固めているので、金沢が突出して悪いわけではありません)

結果的に、観光客が入り口でまごつき、両替機の存在を降りる直前まで知らずに出口でまごつき、地元住民はおろか運転手までキレます。

「Suica使えませんよォー!」という怒号を1泊2日の滞在で5回くらい聞いたような。

(うち1回は私なんですけどね)

道が混みやすい

金沢駅前は渋滞しやすい通りになっています。

まず車社会であること。先述の通り北陸本線が通っていますが、東西に都市間輸送を行うのみです。金沢市内の交通網は地下鉄も、ましてや路面電車やモノレールもなく、バスとタクシーに頼っています。

そうなると、都心部の商業施設や公共施設に自動車が殺到します。この現象は各中堅都心で起こりがちな光景ですが、金沢という観光都市で発生していることは問題です。

例えば京都でもバスに地元民と観光客が殺到し、鎌倉では江ノ電の小さな車両に地元民観光客がごちゃ混ぜで運ばれていく光景が見られます。環境公害(オーバーツーリズム)の一つと言えるでしょう。

とはいえ京都なら地下鉄や阪急・嵐電が、鎌倉にはJRやモノレールを使った迂回ルートが整備され、工夫で乗り切れるシーンもあります。

しかし金沢にはこうした補完交通がありません。強いて言えは西金沢から北陸鉄道で野町に抜ける手がありますが、これは野町・片町エリアへの用事があるごく一部の観光客に限られます。本数も30分〜1時間おきと、利便性が高いとは言いにくいダイヤです。

次回の記事で、金沢の交通をいかに改善できるか、考察していきます。

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