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コンパクトシティの課題ー日経の報道をもとに

昨年12月の日経新聞に「コンパクトシティー阻む「縦割り行政」 見えぬ成功例」という記事が出ていました。

日経は「コンパクトシティ推し」なところがあり時折記事を見かけます。今回の記事では「縦割り行政」、つまり省庁や役場の部署ごとにコンパクトシティを推進する部門とコンパクトシティに逆行する部門があり、結果としてまちづくりが何も変われない現状を報じています。

日経が取材したのは秋田市でした。またの機会に詳細をまとめますが、秋田はまちづくりで揉めている自治体の一つです。2001年にコンパクトシティを掲げました。

しかし、昨年5月に1000億円の巨費を投じて、町外れを開発すると発表しています。

これにはさまざまな思惑が行き交う政治の世界が影響しています。国交省は自治体のコンパクトシティを推進したい、経産省は地方を開拓して大規模モールを作って欲しい。高齢者のうち移動が困難な人は歩ける街を望み、若者はイオンに繰り出す。商店街など中心部の経営者はコンパクトシティを望み、郊外の地主はコンパクトシティに反対する。

これに対して国は、コンパクトシティを推進する法律を作る傍らで、郊外開発の規制緩和も行ってきました。

今後必要とされるのは自治体ごとの人口や経済規模、年齢層や交通網など、個性を活かした街が作れる環境です。そのためにも縦割り行政は大きな障害。解消が待たれます。

なお、コンパクトシティの成功例はない…と断じていますが、これについては異論。過去の記事を御覧いただきたいのですが、松山や福岡などコンパクトシティをある程度形成できた自治体はあります。

コンパクトシティになるポテンシャルがある都市であれば、ちょっとした道の改良や交通の整備、住民意識の変革でコンパクトシティ化がぐっと進む場合がありえます。一方で街の中心を失い、郊外の大規模モールへ出かけるのが当たり前の地域もあります。各自治体がいまどの立ち位置にあり、どちらへ進むべきか。そういった判断力が求められそうです。

参考:コンパクトシティー阻む「縦割り行政」 見えぬ成功例

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE248CG0U2A121C2000000/

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